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心理学と占いの関係


 ◎ 心理学と錬金術



心理学者として有名なカール・G・ユング博士は、たくさんの研究論文の中で心理学と錬金術とが、
とても深いつながりがあるとしてその関連性について述べています。

いわゆる金を生み出すという錬金術は、実は表面的な意味としてのことであって、

そこには大切な意味が隠されていいることを私たちは知る必要があります。


ユング博士は、錬金術が心の成長過程や統合されうる過程に似た表現を多く含んでいると確信したのです。

錬金術が語ろうとしている象徴や意味を調べてゆくほど、その神髄と奥義に魅了されたそうです。

錬金術によって金が生成される現象を、心の内面から理解しようとしたのです。

過去の数千年にわたってもこれからの数千年先になっても、
同一であり続けるであろうと想像される、元型という心的諸事実を発見したと述べています。

「個体化過程」を「化学変化過程」に投影していたのが、錬金術師たちであったそうです。
この「個体化」とは、今後も研究を要する領域の言葉で、とても曖昧な領域を指しているのだそうです。
どうして単刀直入に表現出来ないのでしょうか?
それは、そのヌミノース的な性格であるため、
昔から「生の過程」「神秘」「神の領域」とされるものだからであり、
絶対的な真理や普遍のイメージを導き出す原像に
ほかならないからである、と述べているのです。


無意識という心の深層に中には、集合的なもの…つまり
人間なら誰でも同じように持ち合わせているものと、
個人的なもの…生まれと育ちや環境によって左右されるようなものとがあって、
それらと自分の意識が対面したり、対決したりして、
統合されていく過程を「個体化過程」として表現したわけです。

無意識とは、ある意味ではこの世の闇に囚われている
霊(精神)というイメージとして認識されるようなもの、
また投影というのはその囚われている状態の中で苦しんでいる心、
救済されるためにもがいている心として表れたイメージだと述べています。


そのように、錬金術や古代から脈々と受け継がれている様々な
密儀や神秘思想、神話や口承伝説の中には、
時代が変わっても変わることのない、
普遍的な共通要素が織り込まれているのです。
現代それらは「学問」という形をとって私たちが学んでいるわけです。




  自分を知る旅…


「占い」…それは、自分のこころを知る旅の始まりに過ぎません。

自分を見失っているとき…
迷っているとき…
自信がないとき…

太古の昔、占い師と呼ばれる職業に就くことができるのは、神の叡智の秘儀に参入した者たちや、
「魔術の起源」のところでも述べたように、秘密結社の最高位に昇格した者たちでした。
彼らは自分自身の意識と神の意識の一部を同化させて、占断を行ったのです。



わたしたちは、自分の心をちゃんと知っていると思っています。
意識出来ていると信じていますよね?!

でも、実は違います。

「無意識」と呼ばれる領域では、意識出来ないことで満ちている世界から、
様々なイメージを送り続けているのです。


たとえば「夢」であり「幻」や「象」であったり、「音」や「ことば」であったりします。
それらは、限りなく平和的である時もあれば、恐ろしく悪魔的で
醜い欲望の塊のような力であったりもするのです。

「自分を知る旅」こそが、心理学であり、錬金術であり、占いの秘儀でもあるのです。





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