◆古代マヤ文明の発見

メキシコや中央アメリカで発見された文明遺跡から、建造物や創世神話、また象徴絵図などが発掘されました。碑文の研究や象形文字の解読が進むにつれて、マヤ族の暮らし、マヤの世界観や宇宙観について少しずつ明らかにされつつあります。
 古代中米の人々は、文字や絵を石に彫ったり書物に書いたりして記録を残していました。

 マヤの暦と文字記述システムは、マヤの学者によると紀元前600年頃のサポテカ文明(メキシコ・オアハカの付近)に起源があるといわれています。 
ある学者によればツォルキンを考案したのはオルメカ人で、紀元前1359年頃だそうです。 
オルメカ文明は紀元前1800年〜1200年の間のどこかで興り、紀元前1500年または紀元前800〜500年に「イサパ」という地に住みはじめたといわれています。

イサパの緯度が太陽の天頂通過間隔がちょうど「260日」と「105日」であることから、この町がツォルキン発祥の地であるという可能性は十分に考えられるそうです。


        
マヤ文化の特徴は、秀でた暦と象形文字です。
                  

オルメカ時代から伝わる神聖暦「ツォルキン」と時が持つ「デイサイン」は、「死」や「夜」を肯定的にとらえ、生命の進化に欠かせない大前提としていました。

昼を健在意識の世界、夜は潜在意識という広大な海の象徴、昼と夜、光と闇、死と再生のプロセスを循環する調和の二元論…。

マヤの宇宙を自由に天駆け回る「わたし」「あなた」の魂が持つ顔、そして人間進化と成長の道しるべ。 それこそが、
マヤの世界観なのです。

マヤ族は、高度な数学と天文学をあやつる哲学者でした。
私たち現代人も、その大いなる智恵の恩寵に授かることができるのです。



         

◆マヤ神聖暦「ツォルキン」

ロングカウントと呼ばれる「長期計算法」を使って、
マヤ人は複雑な歴史の秘密を紐解いていたと言われています。
「ツォルキン」とは、マヤの儀式と予言を司る神聖な260日暦です。

毎日ひとつずつ、1〜13の数字と20個のデイサイン(日のシンボル名)が組み合わさりながら、順番に時を進めていきます。
1イミシュ→2イク→3アクバル→4カン→5チクチャン、のように。
そして260日で数字とサインの組み合わせは1巡します。

その日に生まれた人の性格や運命を決定するのがこのナーカルデイサインと数字だと信じられていたため、古代マヤの時代は日付のデイサイン名を人名として名づけることも多かったといわれています。

これは、時間のサイクルを認識する新しい方法であり、メソアメリカやアステカの古代部族などで共有されていた、古代の時間認識法=暦が基になっている時間概念です。

         
マヤの日を表わす20のデイサインたち
     


古代マヤでは、時間には二つの次元があると考えられていました。
一つは、太陽が昇って沈むというサイクルによって私たちが日々活動する日常の時間、
そしてもう一つは、聖なる時を知覚するための独特な尺度としての時間です。

私たちは通常一つ目の時間だけを認識しながら、生活しています。
でもそれだけでは自己の達成、自分を知るという意味では不十分なのです。
人間の魂は、次元の異なる聖なる時の流れの中で、自分が肉体として誕生するときを選んで生まれて来たと言われています。

自分の聖なるときのリズムやデイサインを認識することで、今以上により自分らしく、より自然の力を味方にして、人生を生きることが出来るようになるのです。


◆マヤン・カレンダー

「ジャガーの知恵」の筆者によると、現代マヤの研究を続ける人類学者たちが、カレンダーシャーマンにカレンダーの意味をたずねたところ、答えは著しく首尾一貫していたそうです。
それは「人間の妊娠期間の象徴だ」「カレンダーの基礎はそれだ」と。
 科学的にみると実際の妊娠期間は260日よりももう少し長いですが、260日という時のサイクルの間隔は、最初に生理がなくなったときから誕生の時までに経過する期間を計る物差しとなっているといいます。
それは受胎から完全な誕生へと向かうこころの旅の象徴として、マヤン・カレンダーをみることで自らの運命のサインや周期を知ることが出来るというものです。

マヤの宇宙観は人間の精神にある本質的な人間意識の旅に
大きな関わりを持っているということなのです。

13日という周期は、1ワニからはじまる13日、そして次の周期は1ジャガーから始まる、というように時の守護者であるデイサインは動いていきます。 
その順番はすべて指定された東・北・西・南に…。


マヤの伝統的なコーンによる占い技法


◆マヤ暦占い 現在のナーカル守護者は?! こちら!

神聖暦の20のデイサインと、13の数字には、それぞれにちゃんと意味があります。

マヤ族の伝承を受け継いでいるカレンダー・シャーマンやデイキーパーは、現代もイニシエーションや祭儀を行う際に、古い神話に残されている神々の名前やマヤ語、そして関係する方角に関する意味をツォルキンに照らし合わせながら、占いを行っているといいます。

神聖暦を扱うネイティブのあいだでは、こう語られています。

「マヤ語とそのサインの持つ象徴は、伝統の守り手たちにとっては聖なる乗り物にすぎない。 神々を呼び出し、語りかけ、和解するための聖なる言葉なのだから。」


マヤの象徴と太陽の時代


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